月経異常(月経不順・月経困難症、過多月経)
月経不順
- 生理が急に来なくなった
- 生理の間隔がバラバラで次の出血がいつ始まるか分からない
- 生理が3か月以上(90日以上)来ない
- 生理なのか不正出血かわからない
月経周期は月経の初日から次の月経開始の前日まで期間のことをいいます。
正常周期では25日~38日、その変動は6日以内とされています。
月経不順はストレス、過労、睡眠不足、体重の増減など生活リズムの変化でも起こりえます。
なお、90日以上月経が来ないことを無月経と呼びます。
月経不順の検査方法として基礎体温測定による排卵の有無の確認、ホルモン検査で卵巣の機能を評価、また超音波検査で子宮・卵巣に異常がないか確認をします。
治療法としてホルモン剤や排卵誘発剤、漢方治療などがあります。
月経困難症
- 生理痛がひどく、日常生活に支障がでる
- 生理のたびに、痛み止めを服用する
生理痛がひどく日常生活に支障を来たす状態のことを「月経困難症」と呼んでいます。市販の鎮痛剤を頻繁に飲んでしまう方は月経困難症の可能性があります。
月経困難症には大きく分けて2種類あります。明らかな病変がない機能性月経困難症と、子宮内膜症や子宮筋腫、子宮腺筋症などの病変がある器質性月経困難症です。
検査方法として、子宮や卵巣に異常がないか超音波検査で確認します。治療が必要な病気が見つかった場合は、低用量ピルやホルモン治療薬(保険)を検討します。
子宮や卵巣に原因がないタイプの機能性月経困難症に対しても、低用量ピル(保険)や漢方治療を行います。
過多月経
- 月経量が多い
- 生理中、生理後に貧血症状がある
月経量が多いものをいいます。検査方法として超音波で子宮筋腫や子宮腺筋症などの病気の有無を確認します。
超音波検査で子宮筋腫や子宮腺筋症などの病気がないか検査します。
子宮筋腫や子宮腺筋症があり、手術療法が必要な場合は専門の医療機関に紹介いたします。
月経量が多いと貧血の原因にもなりますので、採血で貧血の有無を確認し、貧血がある場合は鉄剤や止血剤を検討します。
月経前緊張症(PMS)
- 生理前にイライラする、情緒不安定、やる気が出ない、不眠などの症状がある
- 生理前に下腹部痛、乳房の痛み、肌荒れ、頭痛などの症状がある
生理前に起こる様々な体調トラブルです。生理開始の数日前に少しだけ症状が出る方から、排卵時期から生理開始まで体調不良が続く方もいます。
これらの症状はホルモンのバランスと脳内物質の変化に深く関係しているといわれています。
治療法として低用量ピルや漢方薬などを用います。
不正出血
- 生理時以外に出血している
- 茶色のおりものが下着に付く
- 閉経しているのに出血した
ホルモンバランスの乱れや子宮筋腫、子宮頚管ポリープ(子宮のできもの)、子宮がんなどの病気により、生理時以外に出血することを不正出血といいます。おりものに少量の血が混ざっているような場合も不正出血です。
検査方法として、ホルモン採血、腟鏡診・超音波検査で子宮頚管ポリープや子宮筋腫の有無を確認、子宮頸がん・子宮体がん検診を行います。
デリケートゾーンの症状
痒み
- 陰部がかゆい
- 腟内が痛痒い
痒みの原因はかぶれや汗、乾燥、アレルギーによるものが多いですが、カンジダやトリコモナスといった病原菌による感染が原因となっていることもあります。
原因に適した軟膏を用いて治療をおこないます。
おりものの異常
- 何日も多量のおりものが続く
- 外陰部の痛み・ただれ・悪臭がある
おりものは腟や子宮からの分泌物のことです。正常なおりものは、無臭で透明に近い乳白色です。
カンジダやトリコモナス、腟炎があると、おりものの色や量、性状に変化が起こります。
検査として腟内の菌を同定して、それに適した腟剤を腟内に7~10日間挿入します。